今回のケンチクサンサクは、神奈川の南東部、神奈川県横須賀市にある、山本理顕さん(山本理顕設計工場)設計の「横須賀美術館」へ。私は車で行きましたが、電車とバスを乗り継いで行くこともできます。
ケンチクサンサク的みどころは?
建築散策を楽しむ上で、ぜひ見てほしい見どころはコチラ。
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【1】山を映すガラスの箱
【2】海に浮かぶ美術館
【3】丸穴から見える世界
【4】空へと登る階段
【1】山を映すガラスの箱

一直線にのびるアプローチをのぼり進み、建物に近づくと・・・重量感のある本体部分を包む込むようにガラスの外皮がおおった外観であることがわかります。透明感のあるガラスの外皮が、周りの山を映し込み、これぞ自然環境と建築の一体感。を肌で感じることができます。ガラスの外皮とバックに拡がる山が重なって見えるところをみつけて眺めてみるのがオススメです。

【2】海に浮かぶ美術館

もう少し外から見てみることに。建物の外周へと出て、屋上広場へ。(建物の中からもアクセスできます)目の前に東京湾、山の傾斜地に建つ立地環境をうまく生かしながら、グレーチングの床や格子の手すり、操舵室のような展望室が相まって、まるで海上に浮かぶ船の甲板にいるかのような景色が臨めます。建物越しに海を見ると、船上感が楽しめてオススメです。

【3】丸穴から見える世界

透明感のあるガラスの外皮とは対照的に、建物の中へ入ると、白い箱にたくさんの「丸穴」が空いた空間が拡がります。大小さまざまな大きさで、あちこちに開いていて、エントランスロビーの大きい丸穴は、振り返ると東京湾が切り取られて見えます。外から見る壮大な海感ではなく、切り取るように見えることで、どこかアートを見ているかのような感覚です。見上げると天井にも丸穴が開いており、日ごとに違う光の強さをより明確に体感するかのような感覚。同じ丸穴でも見る角度によって見える景色が変わるので、さまざまな場所から、角度から外の世界を見てみることがオススメです。

【4】空へと登る階段

エントランス空間の一角に、丸穴を突き抜けるようならせん階段があります。こちらの階段を登った先には、屋上広場の展望室がありますが、下の階から見るその佇まいは、まるで、光の射す天井に向かって登っていく、空へと登る階段のよう。エントランスや2階のスペースから、丸穴とらせん階段が同時に見えるポイントを探して見てみると、その面白さを想像できてオススメです。

他にも見どころイロイロ

鉄板だからこそできるとても薄い壁。曲線やガラスの透明感が印象的な建物であって、直線的な部分は華奢さをもってバランスをとれるようにしているのかもしれません。

あちこちに点在する案内板とともにピクトグラムを発見。ウォーリーをさがせ気分で楽しんでみるのもいいかもしれません。

360°シースルーのエレベーター。外部が見えないエレベーターに慣れていると、正反対に開放的なエレベーターが新鮮です。こちらも屋上広場へとつながってます。

入口までのアプローチ。左にはガラスの壁、天井にはルーバー、右には柱の連立と、長く連なる佇まいが壮観です。

屋上広場にあった可愛らしいチェア。こんなところにも「丸」を感じるプロダクトを発見。
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入口展示の入れ替え期間中に訪れたため、展示室の中には入れませんでしたが、エントランスや屋外広場、ミュージアムショップや図書室などは、自由に見学できました。機会がありましたら、ぜひ、展覧会の内覧とともに、ケンチクサンサクしてみてはいかがでしょうか。
基本情報
〈 場所 〉
〒239-0813 神奈川県横須賀市鴨居4丁目1番地
〈 アクセス 〉
京浜急行線「馬堀海岸」駅を降りて、京急バス「観音崎」行(須24、馬24)に乗り、「ラビスタ観音崎テラス・横須賀美術館前」下車後、徒歩2分程度(京浜急行線「浦賀駅」やJR横須賀線「横須賀」駅からもバスを乗り継いでアクセスできるようです)
〈 営業時間 〉
10:00〜18:00
〈 休業日 〉
・毎月第一月曜日(祝日の場合は開館 / 振替休館あり)
・12/29〜1/3
〈 リンク 〉
https://www.yokosuka-moa.jp/(横須賀美術館ウェブサイト)
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